換気

akgw2007-12-12


■全般換気の種類

・第1種換気
給気・排気共に機械を用いる方法であり、室内外の圧力差が生じない。そのため、建物の気密性による風力・温度差漏気の影響を100%受けることになる。

・第2種換気
機械で新鮮な空気を送り込み、換気口及び隙間から排気する方法である。室内は正圧になる。

・第3種換気
機械換気を行い、換気口及び隙間などから新鮮空気を取り込む方法で負圧となる。

・第4種換気
内外温度差、風圧によって機械を用いず換気される方法をいう。

■各全般換気の特徴

・第1種換気
機械による送風によって給気と排気を行っていることから、熱交換器を設置することにより給気と排気の熱交換をすることができ、ある程度の省エネルギー性が得られるが、電気代の大幅増大や熱交換素子の抵抗値が高くなるため、必要換気量を確保するためには、電力を消費する大型モーターファンを採用せざるを得ないため、結局は第3種換気よりもランニングコストが高くつきます。また、内外圧力差がつかないため、気密性能値によっては第3種換気の全体熱ロスと同じか悪くなる場合がある。イニシャルコストは第3種換気と比較して約2.5倍〜2.8倍高くつく。給気ダクトの汚染を防ぐためフィルターの清掃を頻繁に行わなければならない。

・第2種換気
取り入れた空気を比較的均等に各部屋に送ることが可能であり、壁内及び天井裏の材料から発生した汚染物質の流入を防ぐことができる。逆に気密性の低い建物では室内の湿気が壁体に入り、内部結露の原因になる場合もあるため、注意が必要である。

・第3種換気
トイレ・浴室などの水まわりの換気システムと共用し集中して排気を行い、空気は各室に換気口のみ設けて自然に行う方法が一般的である。気密性能が0.7cm2/m2以上の悪い値である場合、冬期間においては、内外温度差の圧力の影響を受けて1階の給気口ばかり給気量が増えて、2階の給気口からは少なくなるか、全く給気されず、あるいは排気になってしまうことがあります。したがって、内外温度差の影響があつても、それを回避するだけの室内負圧を確保することが必要になります。

それは、建物の気密性能値を0.5cm2/m2以下とするこで、1階の給気口の開度(流動抵抗値)を小さくし、2階はその分だけ大きくすることでバランスよく給気することが可能になります。また、冬場などは一般的に壁に給気口を設ける方法では、給気口から直接冷風が入り込むことになり、室内温熱環境を悪化させることになります。

家の中の寒さを持ち込まない給気方法である「給気加温システム」(当研究所開発・特許申請中)を採用することで、外気がどんなに低くなっても、第3種換気の設定必要換気量0.5回/hの60%前後の給気量が安定的、継続的に確保可能となります。第3種換気の外気による寒さの問題はこれで解決できるのです。このシステムも動力(モーター)を一切使用しないで行うことで、気密性能値が1cm2/m2位だと、必要換気量の35%くらいしか確保できないので、モーターファンを使用することにより、第1種換気の範疇になってしまいます。従って、出来るだけ建物の気密性能を上げて、環境に優しいシステムとして使用したいものです。

・第4種換気(自然換気)
改正建築基準法では、機械換気の設置が事実上義務付けられているため、機械換気装置の代わりにはならない。温度差換気は室内でも温度差を利用するもので、特に冬季に効果がある。その他に排気筒、床下給気を用いたパッシブな換気方式にも応用し、併用することが可能である。