ヒートポンプ

水が高いところから低いところに流れるように、熱にも必ず高温側から低温側に流れる。しかし、ある媒体を介せば、冬季の低い外気の熱を集めて、高温側の室内にその熱を供給する事ができる。
低位の水を高位に汲み上げるポンプのごとく、低温側から高温側に熱を汲み上げるので、このような仕組みのものをヒートポンプと呼ぶ。
このとき、熱源となる低温側をヒートソース、熱を利用する高温側をヒートシンクという。

蒸気圧縮式ヒートポンプ
ある作動媒体が、圧縮すれば高温になり、減圧すれば低温になる性質を利用するものである。
冷媒→指定フロンHCFC、代替フロンHFC、

吸収式ヒートポンプ
冷水配管の部分に河川水などの熱源水を通して熱を得て、冷却水配管の部分に水を通して、吸収器と凝縮器で二段加熱して温水を得る。

パッシブソーラーハウス

太陽の高い夏には屋根の庇(ひさし)で太陽光を防ぎ、吹き抜けとなった室内では、空気が天井や壁に設置された換気口から自然換気するパッシブ・クーリング。太陽が低く移動する冬は、南面に面した大きなガラス窓から太陽光を取り込みながら、室内の断熱効果により暖かさを確保するパッシブ・ヒーティング。この2つを組み合わせたもの。
『日本の古民家に通じるところも多く、冬の寒さを軽減するためにはガラスの温室効果を利用しているが、夏の廃熱システムは基本的に古民家と同じシステムといえる。電力や廃棄熱などの熱汚染を引き起こさないし、廃棄物を生ずることもない。太陽の熱エネルギーという地球上のどの地域でも容易に享受できエネルギーを最大限に利用しているため、外部からのエネルギーの供給の必要が少なく、エネルギー輸送にかかるエネルギーを大幅に削減ができる。』

②バイオエタノール

トウモロコシやサトウキビなどを発酵させて作ったエタノール。自動車燃料等に
使う。原料の植物が成長過程で二酸化炭素を吸収する為、石油や石炭のように一
方的に二酸化炭素を排出するだけではない。
バイオエタノールを日本で大幅に生産拡大するためには非食用バイオマス(生物
資源)の活用と耕作放棄地などの活用である。
稲わらなどの農産物非食用部、林地残材・製材工湯残材などの木質資源、廃食油
からのバイオ燃料生産は、農林水産物の活用可能性を広げ、循環型社会の構築を
推進する。
農地が荒れると元に戻すためには時間が掛かるので、出来るだけ荒らさずに作物
を植え、食料として利用できるようにすることが重要である。
バイオ燃料の利用急増を背景に、原料のトウモロコシ、小麦、大豆などの穀物
場が高騰している。その影響はマヨネーズやオレンジジュースなどの身近な食品
にまで及んでいる。また耕作地拡大に伴い水資源枯渇や、生態系への悪影響など
、負の側面も考えないといけない。
欧米では、食料自給を達成し、余剰作物や休耕地の有効活用方法としてバイオ燃
料生産が行われてきた。日本では食料自給率は40%であり、余剰作物はほとん
どない。食糧を生産し食料自給率を上げるべきである。
また、食糧と競合しない原料として、木屑も、各地にバイオマス発電施設が建設
され、すでに不足しつつある。山には、間伐も出来ず放置された膨大な木質バイ
オマスがあるが、国産材の利用拡大など地道な努力により木材搬出量を増やさな
ければ、
端材などをエネルギー利用することは困難である。
まず、国産材の利用を増やすことで、日本のバイオマス利用も拡大することができる。

①大阪

建築廃木材を原料とするバイオエタノール3%をガソリンに混ぜたE3の試験販
売を堺市大東市で始めた。
廃木材からのエタノール製造は全国初
年間4万7千㌔㍑(のべ4万台分)の製造能力
国産バイオ燃料の大幅な生産拡大を実現するためには、稲わら、木質セルロース
系原料から効率的にエタノールを生産する技術や、農地や森林から原料を効率的
に収集運搬する技術の開発が重要になってくる。
北海道二カ所、新潟一カ所で五万㌔㍑生産を目標。